安心できる社会を支えるお仕事

飛行機が安全に離陸、着陸できるのはどうして?

取材協力/
高松空港株式会社

飛行機が安全に離陸、着陸できるのはどうして?

空の玄関口といわれる空港は、国内、海外問わず、あらゆる地域をつなぐ大切な施設です。
みんなも旅行や帰省で飛行機を利用したことがあるのではないでしょうか。でも飛行機が離陸、着陸する滑走路に問題があると安心して利用できません。そこで滑走路の安全を守る仕事をみていきましょう。

答え:
滑走路や空港全体の点検を毎日行っているからだよ。

滑走路はどんな役割をするの?

滑走路とは、飛行機が離陸、着陸をするための直線上の道のこと。飛行機が離陸をする時は、一気に時速300km近くまで加速し、着陸をするには、空中から徐々に速度を落として高度を下げながら、車輪を地面に着けて安全な範囲で停止するようしっかりブレーキをかけます。このような飛行機の運航で、とても大切な離陸、着陸が安全に行えるための施設です。また夜間でも安全に離陸、着陸できるように、滑走路には、飛行場灯火(照明)が設備されていて、たくさんの人が空港を支えています。

滑走路はどんな役割をするの?

滑走路の安全を守るお仕事はこんなにあるよ

滑走路の安全を守るお仕事

  1. ①滑走路の安全点検/1日に2回、滑走路の表面に、工具の忘れ物や機械の部品、その他の異物が落ちていないかなど、飛行機が安全に離陸、着陸できるように直接目で見て確認します。
  2. ②舗装路面点検/滑走路の表面は、一般の車が走る道路よりも、とても頑丈な構造になっています。毎日たくさんの飛行機が空港に乗り入れていると、表面が傷んでくるだけではなく、着陸装置の車輪のゴムが付着してしまいます。そこで、定期的に摩擦抵抗がどれくらいあるのかを調べて傷んだ個所を補修し、付着したゴムは高圧の水で洗い落としてバキューム車で吸い取ります。
  3. ③滑走路の掃除/2ヵ月に1回、スイーパー車と呼ばれる舗装を清掃する車を走らせてしっかり掃除します。
  4. ④制限区域の安全管理など/鳥が飛行機に衝突することを「バードストライク」といいます。特に、エンジンに衝突すると飛行機は飛ぶ力を失うので、大事故が起きる可能性があります。そのため、1日に多い時で4回、鳥などが滑走路に近づかないよう、散弾銃やロケット花火で威嚇します。
  5. ⑤航空灯火の点検/飛行機が着陸する際、灯火を照らして滑走路への方向を示す進入灯橋梁(橋)があります。進入灯の明かりがパイロットにはっきり伝わるよう、灯火の点灯状況などをすべてチェックし、必要に応じて交換するなどの点検作業をします。
  6. ⑥除草作業/空港の敷地内に雑草が生えると、鳥がすみかにすることでバードストライクの発生の可能性が高まります。そこで大型の草刈り機で草をきれいに刈り取り、近隣の牧場へ引き取ってもらいます。

空港で発生する大きな災害にも備えているよ

年間に数百万人が利用する高松空港では、飛行機事故、地震や台風などの大きな災害に備えて、空港専用の消防車や救急医療搬送車が待機しています。

高松空港の滑走路の長さは2500m。サンポート高松から栗林公園までの距離と同じくらいあるんだ!びっくりだね!

消防車

消防車

消防車は空港専属で配置され、空港以外で消火活動をすることはありません。事故が起きた時に備えて、飛行機の離陸、着陸の前後は、常時7名の隊員が待機状態にあります。飛行機の燃料が燃えると、非常に高温になるため、瞬間的には1200度の熱に耐えられる素材の防護服をきて消火活動をします。

救急医療搬送車

救急医療搬送車

救急医療搬送車は、ケガ人を重症度に応じて3つのグループに分けて一次救命をするトリアージに対応。
有事に備えて、月に一度訓練しています。

飛躍とともに、香川県の魅力がつまった高松空港

開港33年を迎えた高松空港。もともと高松空港は、サンメッセ香川や香川大学創造工学部などがある高松市林町にありましたが、滑走路が1200mと今より短く、ジェット機が就航できないので規模の拡大が望まれました。しかし街中にありそれ以上に広げることは困難で、騒音被害も心配されたことから、1989(平成元)年12月に、現在の香南台地へ移転。新空港は、滑走路の長さが2500mあり、大型ジェット機が就航可能となっています。今では羽田(東京)、成田(千葉)、那覇(沖縄)、ソウル、上海、台北、香港の7路線が就航し、さらなる航空ネットワークの充実を目指しています。世界的に有名なイサム・ノグチの作品が出迎えてくれる空港には、うどん県にちなんだユニークな仕掛けやお洒落な土産物店などがあり見どころ満載です。

飛躍とともに、香川県の魅力がつまった高松空港

見学できます

高松空港株式会社

空港運営事業部 空港運用グループ グループリーダー 
伊藤 充利さん

飛行機は、多くの人や荷物を乗せているだけでなく、火がつくと燃えやすい燃料も積み込まれています。そのため、飛行機が離陸、着陸する滑走路はもちろん、飛行機の駐機場所や、そこと滑走路を結ぶ道路などはいつも安全に保たれていなくてはいけません。私たちの仕事は、飛行機が安全に運航できるように、また、空港の全ての施設を安心して利用していただけるように、万全のサポートを行うことです。「安全・安心」な空港で最高の旅客サービスを提供することを目指して、香川県の空の玄関口である高松空港という巨大で重要なインフラ施設を日々守り続けています。

香川県高松市香南町岡1312-7
tel.087-814-3657

高松空港株式会社 空港運営事業部 空港運用グループ グループリーダー 伊藤 充利さん

このお仕事に役立つ教科

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高松空港株式会社

高松空港株式会社

旅客ターミナルビルの屋上からは、間近で駐機している飛行機や働く方々を見学できます。その他に、普段は立ち入ることのできない空港制限区域内の見学ができます(参加者のバス利用が前提)。空港の施設やお仕事について学べる良い機会です。

◆開催場所/高松空港 
◆対象年齢/要相談 
◆定員/要相談
◆開催日時/要相談 
◆料金/制限区域内の見学は原則有料
◆予約/電話(土曜、休日除く)
※見学は、事前に日程や受け入れ校数の調整をいたします。航空機の安全運航のため、人数等の制限などがあり、対応できない場合もありますので、ご承知ください。詳しくは下記担当へご相談ください。

申し込み
tel. 087-814-3657

高松市香南町岡1312-7
高松市、綾川町所在学校・・・担当:企画管理部空港総務グループ
その他の香川県内所在学校・・・担当:空港営業部営業第2グループ