液晶ディスプレイのしくみはどうなっているの?
- 取材協力/
- 大倉工業株式会社
みんなの身近にある、テレビやパソコン、スマートフォンなどのほとんどが、「液晶」の働きをうまく利用した、きれいな画像を映し出す液晶ディスプレイです。
その要となる光学フィルムを製造するプロに、液晶ディスプレイの仕組みを教えてもらいました。
- 答え:
- 液晶ディスプレイは、フィルムやガラスで何重にも挟んだ「液晶」に光を当てて、画像を映し出す精密機械のことだよ。
液晶ってなんだろう?
※1分子:モノ(物質)をつくっている目に見えない小さな「つぶ(粒子)」
液晶が「絵」や「文字」を作るしくみ!
光を使ったしくみを見てみましょう
普段、私たちが目にする光は、あらゆる方向を向いた光の波の集合体です。この光の波は「偏光フィルム」を使うことで、縦と横の2つの光の波に分解できます。「偏光フィルム」は、縦と横のどちらかの光の波だけを通すブラインドのようなものです。例えば、横向きにした偏光フィルムに光を通すと、横の光の波だけが通過します。縦向きにすると、縦の光の波だけが通過します。そこで2枚の偏光フィルムを縦横クロスに重ねると、縦横の光の波全てをさえぎり、光は通れなくなります。液晶ディスプレイは、この仕組みを使っています。
液晶ディスプレイの画面には、偏光フィルムと液晶の他に、赤、青、緑の3色のカラーフィルターも使われています。このフィルターに光が通り、さまざまな色を表現しているのです。さらに、斜めから見ても画像を美しくみせる「位相差フィルム」と呼ばれるフィルムも使われています。
光は「赤、青、緑」と、この3色が重なると「白」になるって知っていたかな?
最近増えてきている「有機EL」※ってなに?
有機ELは、特定の有機物質に電圧をかけると、物質自体が光る現象のことです。物質自体が光る現象としては、蛍の光も同じです。有機ELは、バックライトが要らない為に、薄くできる特徴があり、最近はスマートフォンの画面などに使われ始めています。そしてここにも、光をコントロールするため偏光フィルムと位相差フィルムが使われており、ここでもなくてはならない重要な役割を担っています。
※「有機Electro-Luminescence(エレクトロルミネッセンス)」
日常生活に欠かせない「フィルム」を製造
大倉工業グループでは、スマートフォンやテレビなどの液晶画面用光学フィルムだけではなく、カップ麺の外装フィルムや食品トレーの包装用フィルム、さらには全国の自治体指定のゴミ袋も作っており、丸亀市指定のゴミ袋にも採用されています。普段私たちが何気なく使っている日常生活に欠かせないものをたくさん生産しています。
見学できます
大倉工業株式会社
新規材料事業部 企画部 企画課長
好多 洋介さん
大倉工業では、液晶ディスプレイがまだ白黒表示だった1989(平成元)年から光学フィルムを製造しています。液晶の普及と共に私たちの作るフィルムも進化し、今ではスマートフォンやパソコン、TVなど、世界中の製品に私たちの作る光学フィルムが使われています。世界最新のスマートフォンやテレビに、私たちのフィルムが使われていることを誇りに思い、これからも香川県から世界の人が必要とする、世の中が便利になる製品を生産し続けていきたいと思います。
スマートフォンや、パソコン以外でも、液晶ディスプレイは、みなさんの身の回りにたくさんあります。ぜひ探してみてくださいね。
香川県丸亀市中津町1515
tel.0877-56-1101
このお仕事に役立つ教科
VISIT おしごとを見学しよう!
大倉工業株式会社
食品の包装用プラスチックフィルムや精密機器の光学フィルムなど、私たちの暮らしに欠かせない製品を生み出す大倉工業。当施設の工場では、見学ルートに沿ってフィルム製造の工程を見て学べる工場見学ができます。
ものづくりの楽しさを味わいに行きましょう!
◆開催場所/大倉工業 丸亀第五工場
◆対象年齢/小学校高学年以上
◆定員/1回20人程度
◆開催日時/要相談※生産状況などにより受け入れが出来ない場合もあります
◆料金/無料
◆予約/電話またはメール ※事前予約制
◆URL/https://www.okr-ind.co.jp/
tel. | 0877-56-1101 |
---|---|
mail. | e01-soumubu@okr-ind.co.jp |
担当:総務広報部
丸亀市中津町1515