豊かな生活を支えるお仕事

アイデアや発明を実現するにはどうしたらいいの?

取材協力/
公益財団法人 かがわ産業支援財団

アイデアや発明を実現するにはどうしたらいいの?

みんなは、毎日の生活の中で困ったことを、工夫しながら解決したことはありませんか?
もしかしたら、それが将来のヒット商品や世の中の役に立つ商品につながるかもしれません。
そこで思いついたアイデアや発明を商品化する支援をしてくれる仕事について教えてもらいました。

答え:
アイデアや発明を商品にして売るためには、いろんな知識や工程が必要だよ。新しい商品を作る各段階で、いろいろな手助けをしてくれる支援機関に相談してみよう。

商品を作り、事業化するにはどうしたらいいの?

アイデアや発明をもとに、実際に「もの」を試作して商品として売れそうなら、それを事業化することで、より多くの人に役立ててもらえるだけでなく利益(もうけ)が得られます。その支援をしてくれる機関の一つが「公益財団法人かがわ産業支援財団」です。ここではいろんな専門家たちに知恵をもらいながら、さまざまな支援が受けられます。

  • 商品化計画の資料作成

    ①商品化計画の資料作成

    世の中の人がどのようなものが欲しいかを考え、アイデアや発明をもとに、商品化の計画を分かりやすく資料にまとめてみましょう。

  • 相談

    ②相談

    財団の窓口で、経営や販売戦略の専門家に商品化できるかを相談してみましょう。

  • 商品の試作

    ③商品の試作

    同じ目的を持つ仲間と一緒に財団の専門家に相談しながら、さまざまな観点から試作・検査をして商品の完成を目指しましょう。

  • 特許権・商標権などの相談

    ④特許権・商標権などの相談

    商品を試作しながら、自作したもの以外に類似品がないかを調べます。分からない場合は、知財総合支援窓口に相談して、特許権や商標権など産業財産権を取りましょう。

  • 開発・製造

    ⑤開発・製造

    財団が主催するビジネスモデルのチャレンジコンペや助成金にチャレンジしてみましょう。そこで認められたら、試作や開発などに対する支援が受けられます。すべての準備が整えば事業化のスタートです。

  • 見本市や商談会などに参加

    ⑥見本市や商談会などに参加

    作った商品をもっとたくさん売るために、見本市や商談会などに参加していろんな観点から市場調査を行うことができます。専門家などに相談して、買ってもらいたい人たちに向けた商品の売り出し方なども考えていきます。見本市への出展のほか、インターネットを使って販路をひろげていくことなどさまざまな支援も受けられます。

財団から支援を受けた企業にインタビュー!

事業化成功事例

思わず手に取りたくなる、かわいいパッケージで食感の良いお米のお菓子。2011(平成23)年に発生した東日本大震災後の避難所への支援物資をきっかけに、財団の専門家のアドバイスもあり、お米のお菓子の事業化を成功させた「株式会社 禾」代表取締役の中條淳子さんにお話を聞きました。

きっかけ

避難所に避難している人たちの中で、食物アレルギーを持つ子どもたちが、食べられる食品が届けられていないという現実を知り、支援物資として当時経営していたカフェで手がけていた卵や乳製品を使っていない焼菓子を被災地に送り続けました。

開発

小麦アレルギーの子どもたちはそのお菓子さえ食べられないことが分かり、避難所から、卵、乳製品そして小麦粉を使わないお菓子のリクエストが届きます。そこで試行錯誤を重ね、ようやく食物アレルゲン(卵、小麦粉、乳製品)を使わない、香川県産の米粉を使ったレシピや商品を開発。

工房を設立、販売開始

食物アレルギーに対応したお米のお菓子を専門に作ることを決意し、営んでいたカフェを閉店。香川県産の米粉を使ったお菓子のオンラインショップの開設。同時に東京の食品販売店などにも卸売りを開始しました。

きっかけ/開発/工房を設立、販売開始

事業化のポイント

かがわ産業支援財団からのアドバイスで、財団が主催するチャレンジコンペに参加。最優秀賞を受賞したことで、商品のPRになったとともに、研究開発や販路開拓への助成、製造機器購入のためのアドバイス、商標権取得へのサポートなど、さまざまな支援が受けられました。おかげで、食物アレルギーを持つ人だけでなく、みんなが安心しておいしく食べられる食品を作り続けられることに感謝しています。

子どもたちの創作意欲や主体性を育む場を創出!

「こんなのがあったら役立つかな」「おもしろい実験をしてみたい」など、子どもたちの発明や工夫する楽しさ、ものづくりへの興味や関心を高めてもらうためにいろんな事業を行っているのが、財団が運営を委託されている一般社団法人香川県発明協会です。小学校低学年から高校生を対象とした「香川の発明くふう展」では、子どもたちの目線で創意工夫し作成した作品やアイデアが光るものばかり。「小学生向け発明工作教室」などでは、自分の意思でのびのびと自由に発想し、主体的に学びながら楽しんで活動しています。

子どもたちの創作意欲や主体性を育む場を創出!

小学生向け発明工作教室の様子

公益財団法人 かがわ産業支援財団

事務局長 
熊野 功一さん

当財団には、中小企業や小規模の事業者が抱えるさまざまな経営課題に対応する経営相談窓口「よろず支援拠点」や「知財総合支援窓口」があります。商品開発、商標登録から販路開拓まで、相談や助成を行っており、さまざまな専門家たちが必要な内容に応じて支援してくれます。子どものころからあきらめきれない夢や、世の中の役に立つものを作りたいといった一途な思いを私たちと一緒に叶えてみませんか。

香川県高松市林町2217-15
香川県産業頭脳化センタービル2階
tel.087-840-0348

公益財団法人 かがわ産業支援財団 事務局長 熊野 功一さん

このお仕事に役立つ教科