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- 香川県農政水産部農業経営課 農業革新支援グループ
スマート農業ってなあに?
- 取材協力/
- 香川県農政水産部農業経営課 農業革新支援グループ
米、野菜、果物などの作物を育て、私たちの食生活を支えてくれる農業。
最近その農業が、テクノロジー(先端技術)を活用することで、より働きやすい環境へと大きく変わろうとしています。進化する農業を支える先生にお話を聞きました。
- 答え:
- ロボット技術やICT(情報通信技術)などテクノロジーを活用して行われる新しい農業のことだよ。
「農業」はみんなが生きていく上で必要な職業
みんなが毎日食べている食材は、どのようにして作られているか考えたことありますか?
農家は1つの作物を育てるため、数ヶ月から1年の時間をかけて土を耕し、種をまき収穫するまで天候や病害虫に左右されないよう注意しながら大切に世話をしています。農業は人が生きていく上でなくてはならない仕事です。しかし日本では、農業を行う人が年々減り続けているのが現実です。農家の方の高齢化や後継者不足、外国からの安い農産物の輸入などで農業が続けられず、やめてしまうことが原因といわれていて、作物を栽培していない農地(耕作放棄地)が増えています。
これからの農業を変える「スマート農業」の技術
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ラジコン操作による無人草刈りロボット。作業者の負担を減らし、女性や高齢者でも使用できます。
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空中から効率的に病害虫防除の農薬を散布したり、ほ場(作物を育てる田畑)の作物の生育状態を観測できる農業用ドローン。
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栽培ハウスの中の温度や湿度、日射量などの作物の成長に必要な環境データを「見える化」して、最適な環境に整えるようモニタリング。
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ICT(情報通信技術)やビッグデータを活用することで、品質の高い作物の生産、ベテラン農業者のハイレベルな技術の伝承。
スマート農業でどう楽になるの?
キャベツやブロッコリーなどの露地野菜を中心に、2020年にスマート農業を導入した「株式会社さぬきべジファーム」。代表取締役社長の藤澤明さんに導入後の話を聞きました。
露地野菜とスマート農業
労働時間の短縮ができ、作業の効率が上がる
土を耕すこと、うねを作ること、肥料をまくこと、マルチング(うねにポリエチレンフィルムを掛けること)など、複数の行程を1つのトラクターで作業できるので、労働時間がこれまでの3分の2に短縮され、作業が効率化できます。
また衛星を使ったGPSを活用することで、ボタンを押せば直進で進むことができます。
少ない人数で、質の高い作物をつくることができる
これまでは、2人1組で手作業により、病害虫防除の農薬を散布していましたが、その日の天候に左右されたり、散布する量にむらがありました。でも、GNSS※自動操舵乗用型防除機を使うことで、作業時間が73.5%削減しただけでなく、均一に農薬を散布できることで、病害虫に負けない質の高い作物ができるようになりました。
※GNSSとは、(Global Navigation Satellite Systemの略)全地球航法衛星システム
スマート農業と県産ブランドに注力
日本一面積が小さな香川県では、他の産地には負けない農産物づくりに力を注いでいます。特に高品質な農産物を消費者に届けることは重要なポイントです。園芸が盛んな香川県では、イチゴのハウス内やミカン畑の温度、日射量、果実の糖度などといった栽培環境・生育状況をスマートフォンで見ることができる遠隔操作システム「さぬきファーマーズステーション~みんなの農業記録~」の利用が始まりました。これは栽培環境や生育状況を正確に知ることができ、データ分析による収量・品質の向上が期待されるだけでなく、ベテラン農業者ならではの栽培ノウハウも知ることができるので、新しく農業をはじめようとする人にとってためになる情報が得られます。
香川県農政水産部農業経営課 農業革新支援グループ
(香川県農業試験場内) 課長補佐
伊藤 博紀さん
最先端の技術を使ってあらゆる農業をサポートするのが「農業革新支援専門員」の仕事です。お米、野菜、果物、畜産などそれぞれの専門を持ち、スマート農業や新しい栽培技術を取り入れるなど、チャレンジする農業者からの高度な相談に対応しています。現場の指導機関、農業試験場、役所の担当者と役割を分担し、県の農業がよりよいものになるよう新しい取り組みを県内に広めています。
香川県綾歌郡綾川町北1534-1(香川県農業試験場内)
tel.087-814-7319
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